EmIrA JoUrnAL

文房具・ゲーム・音楽が好きな在馬会社員♀

【万年筆】 Fに慣れた人間がMニブに苦戦した話

私が一番最初に使ったのは子供用万年筆カクノのFである。
ご存知の方も多いと思うがカクノの持ち手は三角形になっており、誰もが同じ角度で使えるようになっている。
つまり、角度を意識をして筆記する必要は無いのだ。


その次に購入することとなったグランセも、Fの細字を選択。
こちらにはカクノと違い軸が丸いため、角度は固定できない。
そのため、カクノと同じような角度で書くことだけを意識して使用していた。
が、特に引っ掛かりがあるわけでも、インクフローに問題が出るわけでもなかった。
(調整は必要ではあったが重症ではなかったので)


そして、3本目のプロギアスリム。
次に選んだペン先はMの中字である。
Fと同じように何気なく書こうとしたら、ガリッという音がしてインクが上手く乗らない。


おかしい…。


ペンドクターに調整していただいたばかりなのに。


そして少しずつ色んな角度を試してみると、ある一定の角度でのみ何のストレスも無くスラスラと書くことができることに気付いたのだ。


どういうことかインターネットで調べてみる下記ホームページに詳しく解説されていた。



「万年筆のねじれる角度」という項である。
図3-1のように、カクノとグランセはFという細さであったため多少のねじれがあってもストレス無く筆記をすることが可能だ。
しかしプロギアスリムはM、中字と太くなったため図3-2のようにペン先の切り割りがねじることで紙から離れてしまい「インクが出ない」「ひっかかる」というい問題を起こしてしまう。
M以上の太さを使用するならフラットに当てることを心がけるか、自分の筆記角度まで自然調整が終わるのをひたすら待ち続けるしかないということ。


実際に引っ掛かりがあった状態で先端をよく見ると、確かに切り割りが紙から離れてしまっていた。


結局悪いのは私の筆記角度であったため、すぐにフラットに当たるよう矯正することにした。
1週間ほど経ったくらいから上手く紙に当てることができるようになったが、油断すると引っかかるのでもう少し訓練が必要かもしれない。
ペン先が私の角度に馴染んでしまう方が早いだろうか。


FからM、一つ太さを上げただけだが今回の事を通して大きな壁があるように感じた。
Fはかなりねじって書いてみても引っかかりもインクフローもほとんど気にならないのに対し、Mは少しねじると引っかかってインクが上手く出ないのである。


奥が深い世界であると知ってはいたが、こうしてまた一つ万年筆について賢くなったのであった。