2015年7月、私が手に入れたのは3776本限定の「プラチナ #3776 センチュリー 山中」でした。二年前の夏の話です。これを少し前に…コンクリートの上に落として割ってしまいました…。まずは症状をご覧いただきましょう。
先端に大きなヒビが入ったキャップ。気密を維持している肝心な部分には幸いにも無事です。
胴軸に至ってはお尻が取れてしまうという重症具合。
急いで移動していた最中だったのでペンケースに入れず直にカバンに入れたため、走った衝撃で飛び出してコンクリートの上に叩きつけられてしまったのです。ペンケースは大事です。反省しました。不幸中の幸いというべきかキャップをした状態だったためペン先は全く問題ありませんし、使用には何の不便もございません。ただ大きな傷がついてしまったボディを見るたびに申し訳なく感じるので助言も受けたことだし修理問い合わせをしてみることにしました。
今すぐ修理に出せない
私が購入したのは「NAGASAWA神戸煉瓦倉庫店」です。パイロットのように取り扱い店が多く、広く認知されているメーカーであればいいのですがプラチナをマレーシアで見かけることはほとんどありません。こちらで修理をお願いしたところで日本に送ることになるのでしょう。そんなわけで帰国時に自分でお店に持っていく方法が一番確実だと思っています。
ただ、私は日本に一度も帰っておらずこの先も卒業してビザの切り替えを行う時が来るまで帰るつもりもありません。あと一年は修理に出せないのです。つまり山中が最初に販売されてから3年が経つことになります。こんな限定品の万年筆を一年も先に修理してもらえるのかと不安は増すばかりです。
購入店にメールしてみた
メーカーに直接連絡しようか悩んだのですが、まずは販売店の方が良いかと思いNAGASAWA神戸煉瓦倉庫店に連絡を入れてみました。すると翌日には返事が返って来ていました。
プラチナ担当者に問い合わせた所
「修理受付がご予定が1年後修理となるので、100%パーツご用意できるかはお約束はできませんが
おそらく大丈夫ではないは?」との事でした。(一部抜粋)
わざわざメーカーに問い合わせてくだった上でお返事をくださったということで、こういう事が起きると万年筆はナガサワ文具センターのように評価の高い良いお店で購入して良かったと改めて思いますね。
キャップにヒビが入っていたら乾燥してしまうのでインクを抜いておいてください、とも助言を受けましたが機能的に問題の無い部分であるため継続して使用しています。私にとって一番書きやすいのは山中なんですもの。お尻が無くなってしまう危険があるので持ち歩くことはせず、自宅専用万年筆になってしまいましたけどね。
工業機械だったら販売終了から10年はメンテナンス部品を確保しないといけないとか色々決まりがありますが、こういう消費者向けの商品は文面を見る限り特に決まりは無さそうですね。日本に帰ったらすぐに修理に出したいと思います。
万年筆は値段じゃなくてお店で選ぶべきと改めて感じた話
ネットを見たら定価の何割も安く万年筆が販売されていることはもちろん知っているし、定価で買って損してるなぁーって思われているかもしれません。個体差の激しい万年筆だからこそ、本当に信頼できるお店で買わないと後々値段以上に損をしたりすることもある。過去に二度も痛い目を見ている私だからこそ改めて言いたい。お店は大事。ちょっとしたメールにすごく丁寧に返信してくれる、こういう小さな気配りが凄く嬉しい。メールの内容を全部載せたいくらい感動する内容でした。
自身でオリジナルインク「KobeInk物語」やオリジナル万年筆を販売されていたりと、万年筆を好きな方であれば知らない人は恐らくいないプロフェッショナル・ナガサワ文具センターの公式ショップのリンクを貼っておきます。
インクやガラスペン好きは神戸煉瓦倉庫店、万年筆好きはPen Style Denがお勧めですが個人的に一番好きなのは梅田茶屋町店です。ネットだけじゃなくてお近くの方は是非お店にも行ってみてくださいね。以上、改めてナガサワ文具センターへの忠誠を誓うこととなった件でした。